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[関連ページ]湯川に関するエピソード


佐藤勝彦氏の著書から

湯川の怒り

 最近、読んだ本の中に湯川にかかわる記述があったので紹介します。

 佐藤勝彦著「宇宙論の飽くなき野望」(技術評論社)の中にわずかですが、湯川に関するエピソードが記載されていました。著者は、京大出身で、現在は東大教授。インフレーション宇宙論のパイオニアとして高名な物理学者です。

 敗戦のコンプレックスの中、ノーベル賞受賞により、湯川は、著者の生まれた四国においても、たちまち大人ばかりか子供たちの間でもヒーローに祀り上げられ、湯川へのあこがれで著者は京大へ入学したと書かれています。

 著者は京大で湯川の講義を受けています。「黒板前を行ったり来た知りながら独り言をつぶやくように・・・」という講義の様子はこれまで会でも度々紹介されていた通りです。珍しかったのは次のエピソードで、数行ですからそのまま引用します。大学紛争が活発であった頃の話です。

「一人の学生が講義の始まる前に湯川先生に向って、”講義の時間をクラス討論会にしたい” と申し出ました。すると湯川先生は "討論会をしたいのなら、みんな外へ出て庭でやりなさい” と烈火のごとく怒り、激しい口調で言い返したのです。その先生の気迫に押され、討論会を申し出た学生は何やら気まずそうに一人だけですごすごと庭に出て行ってしまいました。」

 著者は湯川の毅然とした一面を垣間見たと記述しています。湯川は学問の自由を傷つけられたと感じたのでしょうか、それとも政治的な学生運動にキナ臭いものを感じ取ったのでしょうか。これまであまり知られていないエピソードかと思いましたので、少し長くなってしまいましたが、まずはご紹介まで。

N (081019)

学問尊重の姿勢

 湯川が激怒したのは、講義の予定されている時間の講義室は講義に使われるべきだという、湯川の学問尊重の姿勢の現れかと思います。

T (081020)


Tag: 佐藤勝彦 エピソード 逸話


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  •  このページの最初の記事を書かれた方、お名前の頭文字を入れて下されば幸いです。なお、ページタイトル中の「エピソード」を半角から全角に変えたページへ移動し、当初のページを削除しました。 -- T 2008-10-20 (月) 09:47:46
  •  Nさん、ありがとうございました。最終パラグラフ末に (N) と入れていただきましたが、その下の日付け行の前へ N を移しました。 -- T 2008-10-21 (火) 09:03:17
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Last-modified: 2011-09-11 (日) 11:57:27 (2057d)