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塩見理研の成り立ち

塩見理研って、何ぞや

 塩見理研って、何ぞやと思い調べました。で、次のものにたどり着きました。

大阪朝日新聞 1916. 10. 25
 大阪亜鉛鉱業会社の塩見政次氏が其の全財産の二分の一百万円を寄附して設立せんとする理化学研究所は愈二十四日其筋より財団法人の認可を受けたるに就きて主務省との打合せのため上京中の大阪医科大学長佐多博士は語る…

 神戸大学図書館に新聞記事文庫というのがあり、記事の切抜きとテキスト化したのを公開しています。

S

ロックフェラー研究所を範として

 大阪大学五十年史にある塩見研究所関連の冒頭部分だけを打ち込んでみました。

第2編 大阪帝国大学の創立と発展
第2節 塩見理化学研究所と理学部
 1916年(大正5)年大阪亜鉛鉱業(株)専務取締役塩見政治が、その死の直前に母校大阪医科大学長佐多愛彦を通じて私財の半分の100万円の寄付を申し出て理化学研究所の設立を依託した。この研究所設立に託した塩見の希望は「現に同大学(大阪医科大学)に計画中なる理科大学の創立に向って、其理化学教室として之を使用し、以って大阪理科大学興隆を速成せられんこと」であった。すなわち当時より大阪において総合大学設立の基礎として理科大学を創設する構想があって、そのために計画されたのが塩見理化学研究所の設立であったことは記憶されるべき事実である。塩見は当時わが国に最も重要であるのは基礎的理化学であるとしてアメリカ合衆国のロックフェラー研究所を範としていた。〈以下略〉

 財団法人理化学研究所は、1913年6月に渋沢栄一が財界や官僚を集めて高峰譲吉博士の大演説会を開いて創立を訴え、実際の創立は1917年3月ですから、塩見研究所と(財)理化学研究所とは設立はほぼ同時期であります。

 つまり関東、関西を問わず、日本全体として工業が発展しつつある状況の中で、欧州の模倣だけですんでいた時期ではなくなってきたんでしょう。つまり自分たちでオリジナルなものを産み出す必要がでてきた。しかし、それには基礎体力に相当する理化学の研究を充実させる必要があると。時代背景としてはこのようなものであったと思われます。

 ちなみに、理研の Web にある「理研八十八年史から」というコラムには、

ロックフェラーが2,000万円を投じて設立したロックフェラー研究所やら、 カーネギーの設立したカーネギー研究所があり、

というくだりがあります。塩見研究所の創設資金100万円でも、現在の価値にして20〜50億円ですから、その十数年むかしの2000万円というのはかなりの金額になります。 >URL: http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/riken88/text/no02.html

D

亜鉛は何に使われた?

 うーん、そうですか。亜鉛は何に使われたんでしょうか?

 先日の定例会でのDさんの発表によると、阪大創設資金のかなりの額が塩見理研と塩見政次の遺族からのようで、元はこの財ということですよね。

 塩見政次は何を考えて、塩見理研を創ったんでしょうね。

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小銃弾及び砲弾の薬莢に使用する特種真鍮

 紹介していただいた神戸大学図書館にある 新聞記事文庫の亜鉛鉱業 (一・二)という記事

…特種亜鉛は軍需品として其大部分は小銃弾及び砲弾の薬莢に使用する特種真 鍮の配合材料に用いらる、…

とありますから、軍需により財を成したみたいですね。

 身近な亜鉛の用途といえば鋼材に対する亜鉛メッキで、特に耐食性の必要とされる部 分に使用されています(例えば、橋梁に使われる鋼材です。たいてい耐食性をさらに高めるために塗装も行われます)。最近はあまり耳にしませんが「トタン」は、鉄板に亜鉛メッキしたものです(人体で不足すると味覚障害になりますね)。

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国内で精錬技術を確立することが急務

 当時ステンレスがまだなかったか、あったとしても日本が生産するのは難しいんだと思います。そういう時代では亜鉛メッキは重宝されていたでしょう。あと、軍需物資としての使われ方としては銅と亜鉛の合金である真鍮があります。真鍮は切削性がよいということで、大砲の砲身や薬きょうなどに使われていたと思います。

 なお、当時亜鉛鉱石は日本国内で産出されますが、精錬技術がなかったために、安い亜鉛鉱石を輸出し、高い亜鉛地金を輸入しており、国内で精錬技術を確立することは急務だったようです。そして当時国内最大の産出を誇っていた亜鉛鉱山は岐阜県の神岡鉱山であり、その廃鉱あとに造られたのがカミオカンデであります。

参考URL:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

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&tag(大阪大学,塩見理研);


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  •  "& gt;"(ここでは ">" に変わらないように、スペースを一つ挿入しました)は ">" と同様には働いていませんでしたので、後者と置き換えましたが、とくに前者を使った意図があったのでしょうか。 -- T 2007-10-09 (火) 08:35:21
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Last-modified: 2008-08-04 (月) 14:05:45 (3215d)