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ノーベル賞論文の題名について

0.1. (p. 1) 素粒子

 [提案: T]この論文が書かれた1934年ころに知られていた素粒子は、陽子、中性子、電子、光子、それにパウリが存在を仮定したニュートリノであった。しかし、湯川が当時のことを述べた講演 {Yukawa74a} に、「素粒子といういい方は、中性子と陽子のこと、だから素粒子の相互作用はまずこれになる」(質疑応答での湯川の答え)とあり、論文のタイトルにある素粒子とは、中性子と陽子のことを指していると考えられる。

 [Mさんの超訳例2を参考にしました。Mさん、『ベータ崩壊の古代史』は単行本ですか。1974年より古い版とか、初出何年ということはないのでしょうか。T]

 [『ベータ崩壊の古代史』は、1974年1月29日に基研で行われた講演の記録です。初出は、『湯川秀樹著作集2』によると『自然』1975年7月号となっています。中間子論40周年の記念の特集として掲載されたようです。1981年11月の『自然』の追悼特集 湯川秀樹博士[人と学問]にも再録されています。また、同じ追悼特集に掲載されている『基礎物理学研究所をめぐって』という座談会に「素粒子の名付親」という項目があり日本語の素粒子の起源が語られています。M]

 [Mさん、ありがとうございました。ご教示を参考にして、上記提案の関連部分を修正しました。T]

0.2. (p. 1) 相互作用

 [提案: T]この論文が第一に取り上げている相互作用は、中性子や陽子を互いに引き寄せて原子核の中に閉じ込めている力(いまのことばでいう「核力」)を生み出す相互作用である。しかし、湯川はこれと合わせて、原子核内の中性子や陽子が起こすベータ崩壊という現象のもとになる相互作用(いまのことばでいう「弱い相互作用」)をも同じ枠組みの中で取り扱うことを試みており、壮大な構想にもとづく論文といえる。なお、湯川のこの論文によって幕が開かれた素粒子論は、その後の70余年間に大幅に進展し、現在の「標準理論」では、グルーオンによって媒介されるクォーク間の「強い力」が、2次的な力として核力をに生じるということになっている。

0.3. (p. 1) I

 [提案: T]この論文が同じテーマを扱ったシリーズの第1論文であることを示す。本論文§3 で存在を提唱している U場の量子は、質量が電子と陽子の中間であると推定されるので、のちに中間子と呼ばれることになる。そこで一連の論文は、中間子論第1論文、中間子論第2論文などと呼ばれている。第4論文まで発表された。第1論文ではベクトル中間子のスカラー成分を、第2論文 {Yukawa37a} ではスカラー中間子を、第3 {Yukawa38a}、第4論文 {Yukawa38b} ではまたベクトル中間子を扱っている。§3 に「U場に伴う量子はボーズ統計にしたがうべき」とあり、このことから、中間子のスピンという量子数は0か1になる。スピンの二通りの値に加えて、パリティという反転の性質が+または−の可能性があるので、中間子には次の4種類の可能性が考えられた。

スピンパリティ名称
0スカラー中間子
0擬スカラー中間子
1擬ベクトル中間子
1ベクトル中間子

のちに、核力に関係するパイ中間子は擬スカラーであることが実験的に見出された。湯川は、擬スカラーや擬ベクトルの可能性を検討することには違和感があったという {Yukawa74a}


Tag: 注と解説 素粒子 相互作用 スピン パリティ スカラー 擬スカラー ベクトル


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Last-modified: 2017-07-09 (日) 18:25:57 (39d)