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ノーベル賞論文§2の注と解説

2.1. (p. 3) 波動方程式は次式 (4) で与えられる

 「与えられる」という表現は、何らかの原理から演繹できるような表現であるが、ここでは、(4) を仮定するのである。(4) は何かから演繹されるものでなく、U が満たす方程式として定義するのである。

2.2. (p. 3) Ψは重い粒子の波動関数を表し

 スピン1/2の波動関数との類推で、後にアイソスピンと呼ばれるようになる概念が導入されている。スピン演算子は角運動量演算子と同じ交換関係をもつ演算子で、電子の自転による角運動量演算子と考えてもよい。つまり、スピンは回転に関係した概念である(量子力学の教科書でスピンのところ参照)。アイソスピンは粒子の運動には関係のない自由度で、内部自由度という表現もされる。ここでは「重い粒子の波動関数を中性子状態と陽子様態の2成分としよう」ということである。

電子スピン      上向き (τz = 1)   スピン上向きの状態の電子
           下向き (τz = −1)  スピン下向きの状態の電子
重い粒子アイソスピン 上向き (τ3 = 1)   アイソスピン上向きの状態(中性子状態)の重い粒子
           下向き (τ3 = −1)  アイソスピン下向きの状態(陽子状態)の重い粒子

つまり、ψ = (ψn, ψp) であるので、(4) の右辺は −4πgψ^~pψn となり、中性子密度でもないし、陽子密度でもない。電子が作るポテンシャルを求める場の方程式は、電子密度が源であるけれども。「なにはともあれ、(4) の右辺を核力のポテンシャル場の源としてみよう!」というのがこの論文である。
 ψを量子化すれば、中性子が1個存在する状態に対して、ψ^~pψn は中性子を消滅させて陽子を生成する演算子であることが分かる。すなわち、(4) の右辺は、まさしく「中性子状態から陽子状態への転化」の演算子なのでる。

2.3. (p. 3) (5) 式

 (4) 式の複素共役をとれば (5) が得られる。

2.4. (p. 3) 非相対論的波動方程式 (6)

 解析力学の知識を使えば、(6) は (4) (5) から演繹される。すなわち、(4) (5) を与えるラグランジアンを与えると、ψ とU の相互作用項がほとんど一意的に導かれる。(3) を与える U に対する自由ラグランジアンとこの相互作用ラグランジアンから導かれる場の方程式(オイラー−ラグランジ方程式)が (6) となる。ただし、g の前の係数はψと U の自由ラグランジアンの係数を適当に定めることで決まる。場の理論で第一原理として考察されるのは、(4)〜(6) のような場の方程式ではなく、ラグランジアンである。

 [質問 T]「ψと U の自由ラグランジアンの係数を適当に定める」の「適当に」とはどういうことでしょうか。

 [先頭部分修正案 T](6) はψの中性子成分と陽子成分に対するシュレーディンガー波動方程式をまとめて書き下したものと理解できるが、解析力学の知識を使えば、(4) と (5) から演繹される。すなわち、(4) と (5) を与えるラグランジアンを考えると、…

2.5. (p. 3) 方程式 (6) は (7) 式のハミルトニアンに対応している

 力学における物理量を微分演算子に書き換える。すなわち運動量、エネルギーはそれぞれ、量子力学では次の微分演算子とされる。
     p=−ih∇   E=ih∂/∂t
また、ハミルトニアンは古典力学では系の全エネルギーを表し、量子力学では波動関数の時間発展を与える演算子となる。


Tag: 注と解説 アイソスピン


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Last-modified: 2017-07-09 (日) 18:25:57 (105d)