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ノーベル賞論文§2の注と解説(続)

2.7. (p. 5) われわれの場合は g2 の前に負号をとる

 次の論文では、この符号を逆転させている。負号をとったのでは(10) 式は U 場は斥力を与えることになり、重い粒子を原子核内に閉じ込めておくことはできない。

 [注:訳文中での、現在の注の番号のつけ場所はよくない。]

2.8. (p. 5) スピン1を持つことになる

 ここの論理はよく分からないが、次の論文で符号を訂正しているため、この議論は無意味といってよいであろう。

ノーベル賞論文§3の注と解説

3.1. (p. 5) U場に伴う量子はボーズ統計に従うべきであり

 フェルミ統計に従う粒子のスピンは半整数で、ボーズ統計に従う粒子のスピンは整数。中性子、陽子、電子などはスピンが1/2。たとえば、中性子 → 陽子+ U場 という反応の前後でのスピンの保存を考えると、U場のスピンは整数しか許されない。ハイゼンベルクはU場のようなものでなく、電子の交換で核力を導こうとして、この矛盾解決のために、原子核内では量子力学が破綻するなどといっている。

3.2. (p. 5) U場は電磁場の量子化と同様の方法で量子化できる

 1929年にパウリ、ハイゼンベルクが提唱した場の量子論とは異なると思われる。現代の場の量子論では、これを場の量子化とはいわない。ここでの議論はシュレディンガー方程式をU場が従う方程式に拡張したもの。したがって、「キャッチボール」と表現される場の量子論の摂動計算で現れる過程は、この論文では出てこない。

3.3. (p. 5) U場の量子は+e、−e のどちらかの電荷を持つべきである

 中性子 → 陽子 + U場の量子、 陽子 → 中性子 + U場の量子、という反応で電荷の保存を考える。

3.4. (p. 5) 負電荷を持つ量子の数を…増やしたりする

 原論文では、この部分は、「…負電荷を持つ量子の数を1つだけ増やし(increases)たり、正電荷を持つ量子の数を1つだけ減らし(decreases)たりする…」となっているが、湯川蔵書中の輪購用『中間子論論文選集』(Collected Papers on the Meson Theory I, 1942 年8月)には、increases とdecreases を逆にした訂正の書込みがある。訳文はこれによった。

 [「注」と「解説」を訳文とは別のページにまとめるのがよいと思うが、このような原文の訂正にかかわる注は、シンポジウムで配付の訳文通り、脚注にしておくのがよいであろう。]

3.5. (p. 5) …演算子に対応する

 これは場の量子論的な議論。U場が量子化されると、ある状態ψ(陽子や中性子がいくつあって、それぞれがどんな運動量をもっているかを表す波動関数のようなもの)に演算するものになる。すなわち、Uψ の電荷はψ の電荷より1大きい。

 [最後は「小さい」とあったが、原論文の訂正にしたがって、修正した。]

3.6. (p. 5) p_x=−ih∂/∂x …と表わす

 (3) 式中の微分演算子をシュレディンガー方程式におけるそれらと同様に考え、時間微分と空間微分をエネルギーと運動量にそれぞれ対応させる。

 [追加記述の提案 T]なお、p_x = −ih∂/∂x などの関係式を、質量 m の粒子の全エネルギー W、運動のエネルギー p^2/2m、位置のエネルギー V の間の古典力学の関係式
  p^2/2m + V = W
に代入すると、シュレーディンガー方程式に対応する演算子方程式
  −(h^2/2m)∂^2/∂x^2 + V = ih∂/∂t
を得る。このことから、p_x = −ih∂/∂x などの関係式は、量子力学の基本原理といってもよいものであることが理解あるいは想起できるであろう。


Tag: 注と解説 シュレーディンガー方程式 ボーズ統計


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Last-modified: 2017-07-09 (日) 18:25:57 (105d)