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ノーベル賞論文§3の注と解説(続)

3.14. (p. 8) 通常の原子核変換

 β崩壊を意味している。n → p + e + ν + 0.78 MeV。

ノーベル賞論文§4の注と解説

4.01. (p. 8) 負のエネルギーのニュートリノ状態

 負のエネルギー状態のニュートリノの消滅は、反ニュートリノの生成を意味する。

4.02. (p. 8) われわれの理論に従えば…励起される

 この考えは現在の標準理理論に生き残っている。すなわち、U に対応するものとして、W 粒子がこの役目を担っている。

 [4.03. への提案参照。]

4.03. (p. 8) 質量をもった量子が…本質的に変わらない

 現代の標準理論では、U 量子ではなく、Z ボソンと W ボソンがこの役目を担っている。Z やWの質量は陽子の約100 倍で、U の質量より3桁大きい。

 [4.02. と 4.03. は類似しているので、統一するのがよいと思われる。4.02. を削除し、4.03. を下記のようにすることを提案する。 T]

 [代案 T]U 量子がβ崩壊をも仲介するという湯川の考えは生き残らなかったが、β崩壊を起こす弱い相互作用においても何らかの仲介量子が存在する、という湯川の基本的な考え方は、現代の標準理論に受け継がれている。U 量子の代わりに仲介の役目を担っているのは、Z ボソンと W ボソンと呼ばれるものである。Z やWの質量は陽子の約100 倍で、U の質量より3桁大きい。

4.04. (p. 8) γ線の内部転換の理論

 励起されたエネルギー準位にある原子核は、ふつう、光子(γ線)を放出することによって、より安定な低準位の状態に移る。この過程以外にも、原子核を囲んで原子を構成している電子にエネルギーを直接与える過程によって、原子核が低準位に移る場合がある。後者の過程では、原子核のエネルギー準位の差よりも原子内での電子の束縛エネルギーだけ低いエネルギーの電子が、束縛軌道から放出される。この過程が内部転換と呼ばれるものである。内部転換の理論では、この過程を経由して原子核がエネルギー準位間の遷移を起こす確率を、遷移前後の原子核と電子の波動関数と、遷移にかかわる相互作用エネルギーから計算する。湯川論文のこの箇所では、内部転換のこの計算において、相互作用として原子核内の陽子群と電子との間の静電相互作用を考えても、また、陽子群と電子との間に仮想光子が介在するという扱いをしても、同じ結果になることを、原論文の引用文献 [8] が示していることに言及している。それと同様に、湯川がこの章で述べる、β崩壊は重い量子 U が介在して起こるとする扱い(内部転換の理論におけるγ線介在の扱いに対応)は、フェルミが重い粒子(核子)と軽い粒子(電子とニュートリノ)の間の直接の相互作用(内部転換の理論における静電相互作用に対応)で計算したβ崩壊の確率と同じ結果を与えるのである。

 [訳文の「内部変換」は「内部転換」とすべき。T]

4.05. (p. 8) 光子が介在

 この部分は、原論文では、"intervation of the proton" となっているが、湯川蔵書中の輪購用『中間子論論文選集』(Collected Papers on the Meson Theory I, 1942年8月)で、"intervention of the photon" と訂正した書込みがある。

 [シンポジウムで配付の和訳の通り、脚注にしておくべき項目。訳文の「陽子」のところを「光子」と訂正し、()書きは除いた形にしておくべき。T]


Tag: 注と解説 標準理論 γ線の内部転換


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Last-modified: 2007-07-04 (水) 19:59:38 (3646d)